以前、ヘラクレスオオカブトの幼虫を3匹購入し、飼育を始めるとの記事を書いた。
我が家に幼虫が来たのが8月21日で、その日にケースにマットを入れて幼虫の飼育を開始した。
そこからしばらくして、1匹が星になってしまったのを確認した日が9月1日であった。
わずか11日間でこの世を去ってしまった。
それまでの間に何が起きたのかを考察していきたい。
ヘラクレスオオカブトの幼虫を飼育するまでの準備はこちらから。
コバエとダニの発生
コバエの発生について
私は毎日朝起きたとき、仕事から帰ってきたときに幼虫のケースを手に取り、異常が起きていないか確認をしている。
8月28日土曜日、いつものようにケースを確認すると、ケースの中でコバエが飛んでいるではないか。
ケースの蓋は密閉しており、蓋には穴を数か所あけ、そこに不織布のシールを貼っている。
これで空気の通り道を確保しつつ、コバエの侵入を防ぐことができると確信していた。
しかし、実際には1ケース当たり数匹のコバエがいたことにショックを受けた。
考えらえる原因は以下の通りであろう。
- 蓋がしっかり閉まっていなかったため、隙間からコバエが侵入した
- 蓋は閉まっていたが、それでも隙間からコバエが侵入した
- 元々マットにコバエの成虫または卵・幼虫がいた
使用しているケースは100円ショップで購入したパンの保存用容器だが、確かに密閉具合で言えば多少不安が残る。
留め具でカチッと密閉するタイプの容器ではないため、ケースに隙間が生じていたことは十分あり得る。
今までも確認していたつもりだが、対策としては、ケースをチェックする際に蓋の閉まり具合を念入りに確認するくらいであろう。
マットに元々コバエの卵や幼虫などが潜んでいた場合は諦めるしかない。
ダニの発生について
ダニについては、目に見える形で白い生き物がマットの表面をうろうろしていた。
身の毛もよだつような量のダニは発生していなかったが、ダニがケースの外へ出てしまい、部屋に侵入することだけは、何としても阻止しなければならない。
そんなことがあるのかどうかは分からないが・・・
コバエにしてもダニにせよ、ケースの取り扱い、特に蓋の開閉時には気を付けなければならない。
コバエとダニの対策としては、いくつかのサイトで調べたが、内容としてはほとんど違いはなく、その中から自分ができそうなことを実行してみることとする。
コバエとダニの発生対策
コバエの対策について
幼虫を飼育している際には『キノコバエ』というコバエが発生するとのことである。
キノコバエはマットの有機物を餌とするらしく、コバエの発生はマットを劣化させてしまう。
先ほども記載したが、我が家の幼虫のケースはカチッと閉まるようなロックコンテナや、瓶ケースのように蓋を回し閉めるものでもない。
これらに比べれば密閉具合は劣るものの、それでも蓋が開いていたなどの致命的なミスはしていないはずだ。
ということは、もともとマットにコバエの幼虫や卵が潜んでいた可能性が最も高いと推測する。
つまり、ケースの隙間対策を行ったところで、必ずコバエが発生してしまうわけだ。
発生した場合に対処療法を行っていくしかないため、賛否両論あるものの、私はアース製薬の『コバエアーススプレー』で対策することとした。
元々我が家で使用していた『蚊のいなくなるスプレー』のように、ワンプッシュするだけで効果が数時間も持続する優れものだ。
ケースの内側には、コバエをキャッチするシートやハエ取り棒はスペースの関係上どうしても入らない。
そのため、空間にスプレーすることで、穴を開け不織布シールを貼った蓋から成分を行き渡らす作戦だ。
ダニの対策について
コバエは外でケースの蓋を開けておくとか、捕まえるなどすれば除去できるが、ダニは小さすぎてマットから完全に分離することは不可能だ。
ダニ対策として以下の方法がある。
- マットを全て交換する
- ダニのいるマットをレンジでチンする
- ダニのいるマットを冷凍する
- ダニのいるマットを天日干しする
- 木酢液やダニスプレーなどを使用する
順番に検討してみた。
まず、1は飼育を始めてから1週間程度しか経っていないため、今あるマットを全て捨ててしまうのはもったいない。
しかも、マットの替えを用意していないため新たに購入しなければならないし、場合によってはガス抜きに時間も要するだろう。
2と3については即却下した。
電子レンジと冷凍庫を使用するため、食品を入れる場所に土を入れるなんて、妻に相談したところで返ってくる答えは分かっており、自分としてもそれは受け入れ難かった。
電子レンジなどでダニを死滅させると、マットに含まれている有機物やバクテリアも失われてしまうというデメリットもある。
5は、どちらかというとダニの発生の予防に効果があることから、今発生しているダニへの対策としては向かない。
結果、4のマットを天日干しすることにした。
天日干しをしてもマットの奥の方に逃げてしまうため、完全にダニを死滅させることはできない。
やり方としては、地面からの熱も利用しようと考え、庭のコンクリート部分に新聞紙を広げ、その上にダニのいるマットを薄く広げた。
薄く広げることでダニが日光から逃げるスペースを与えないことが重要だ。
良く晴れた暑い日に4時間ほど天日干しを行った。
天日干しをしている間、余っていた小さめのケース1つに成虫用に使用していたマットを入れ、そこに3匹の幼虫を入れておいた。
2匹はすぐにマットの中に潜っていったものの、1匹だけがいつまで経っても地上に出たままである。
動きも少なく元気がない様子であった。
今思えばこのとき、または以前から既に幼虫に何らかの異変があったのだろう。
4時間程の天日干しを終え、コバエもダニも一見すると居ないように見える。
マット自体は水分が失われ、からから状態のため、加水を行いながらマットを元の3つのケースに戻した。
そして、何を血迷ったか、私は天日干し後のマットの入ったケースに幼虫をすぐに戻した。
その様子を見ていた妻が、「絶対熱いよ。死んじゃうよ」と慌てて制止してきた。
ケースを触ると、確かにケース越しでも熱が伝わってきた。
炎天下の下でで黙々と作業を行っていたため、天日干ししたマットが熱くなっていることなど気にも留めていなかった。
この作業を早くやり切ることに集中していた。
この後、外出しなければならず、ゆっくり対処法を考えている暇もなかったため、今度は大きめの虫かごケースに先程と同様の成虫用のマットを入れ、3匹の幼虫も入れた。
熱を帯びたマットの入ったケースには、扇風機の風が当たるようセッティングし、一旦離脱。
3時間程して帰宅したが、まだマットには熱を感じる。
仕方なく、普段は土間に置いているケースを冷房の効いた部屋の中へ移した。
しばらくするとケース自体が冷えてきたため、幼虫をケースに戻したところ、3匹とも地中に潜っていった。
一時はどうなることかと思ったが、これで一安心だ。
念のため、もうしばらく冷房で冷やしてからケースを土間に戻した。
ちなみにエアコンの設定温度は27℃であった。
さらば、星になった幼虫よ
天日干しをした翌日の朝、いつものようにケースを手に取り異常がないか確認する。
天日干し効果が出ているのか、コバエやダニの存在は確認できなかった。
3つのケースのうち2匹はケースの壁際にいたため、その姿が見えた。
姿が見えなくても地上に出ていない限りは、マットの地中の中央付近にいるのだろうと、いつも気にしていない。
しかし、仕事から帰ってから再びケースを手に取ると、この日だけは蓋を開けて幼虫がどこにいるか確認したくなった。
何だか嫌な予感がする・・・
幼虫の姿が目視できないケースの蓋を開け、マットの中央付近を指で軽く掘ると黒い何かが出てきた。
最初は何か分からなかったが、よく見るとヘラクレスの幼虫であった。
写真でも分かるように、真っ黒く縮んで小さくなってしまっていた。
これはどう見ても星になってしまったことが瞬時で分かったため、手の施しようがなかった。
ここで星になってしまった原因を考えてみる。
天日干ししたマットが冷めたと思っていたが実際は熱を持っていたため、熱くて幼虫が亡くなってしまっただと、同じ条件の残りの2匹には該当しなくなる。
やはり天日干しする前から元気がなかった様子を確認しているため、病気等で元々弱っていたと考えるのが妥当であろう。
弱ってしまった原因が我が家に来た時からか、飼育途中でなったかは分からないが、やはり亡くなってしまったことはどんな理由であれショックであった。
これからの幼虫飼育において、当面は特に温度管理と湿度管理に注意しながら、残りの2匹に愛情を注ぎ、頑張って育てていきたいと思う。
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