本屋は昔から好きな場所で、特に購入するわけでもなく、ぶらぶらして時間を潰すことが多かった。
もちろん立ち読みをする事もある。
最近は年齢を重ねるにつれ、健康を意識したり、育児に関する書籍が気になるようになってきており、今回は私が実際に購入して読んだ本について紹介する。
今後も定期的にお勧めしたい本を紹介していければと考えている。
『自律神経が整う考え方』について
著書を手にした経緯
仕事だけでなく家庭、特に子育てに関してストレスやイライラを感じることが多くなった。
それは今になって始まったことではないのだが、今年は胃潰瘍という症状により、ストレスの溜まり具合がが目に見える形で現れた。
そのため、何か精神を落ち着かせる考え方やストレスへの向き合い方を学べる本がないかと探す中、何となく自律神経というワードは書店で目にしたことがあり、気になっていた。
自律神経について
自律神経という言葉はよく耳にするし、書店に行けば表紙に記載のある本を何回か目にしたこともあるだろう。
自律神経という神経が存在すると思っていたが、実際は無いことが分かった。
この本では自律神経を以下の通り定義している。
自律神経とは自分の意志ではコントロールできない運動を担当するシステムの総称ととらえる。自律神経の働きには、活動したり、興奮したりしたときに働く交感神経とリラックスしているときによく働く副交感神経がある。「自律神経のバランスが乱れる」とは、交感神経ばかりが活発に働いている状態である。
現代社会はストレス社会であり、ストレスがあると体調を崩してしまうのは、自律神経が乱れるからであり、自律神経を乱す原因のストレスは5つある。
自律神経に影響する5つのストレス
人にはそれぞれストレスを受ける器があるが、その大きさは人によって異なる。
ある人の器は大きく、ある人の器は小さい。
器からストレスが溢れ出たときに不調が現れるとのことである。
- 体力的・構造的
疲労、体のゆがみなど - 精神的
人間関係、仕事、育児、介護など - 気象条件的
暑さ、寒さ、気圧の変化など - 科学的
カフェイン、甘い物、たばこ、お酒など - 環境的
騒音、におい、移動距離、閉塞など
上記の中で筆者に当てはまるものは2と4だ。
2については、人間関係と育児で悩むときがある。
人間関係で言えば、自身がコミュ症だと感じているところもあり、人付き合いはかなり淡泊な考え方である。
別に仲良くしなくても構わない、無理して付き合うのはやめようなど割り切って考えてしまう。
一方で人から好かれたいとか気軽に話しかけて欲しいと言った願望もある。
育児は日頃からの子供とのやり取りそのものだ。
4についてはストレスを感じているからこそ、カフェインやお酒などに依存しやすいのだと解釈しており、コーヒーやたばこそのものがストレスというわけではないだろう。
自律神経を乱す考え方のくせ
何かストレスになる出来事が生じたときに、その出来事をどのように捉え、考えるか(認知のゆがみ)によって反応(感情)が変わってくる。
反応とは憂うつ、不安、怒り、いらだちなどのマイナスの感情だ。
マイナスの感情を生み出しやすい考え方には10パターンあるという。
- 0か100か、物事を両極端に分けて決めつける思考
- ひとつの出来事だけでみんなと同じと決めつける思考(対人編)
1度や2度起きただけの悪いことを「いつも起こる」と決めつける思考(対物事編) - よい面を無視して悪い面だけを捉える思考
- 「成功」を「たまたま成功した」と思ってしまう思考
- 根拠もないのに悪い結論を出してしまう思
- 自分の失敗は大げさに考え、成功は小さく捉え評価しない思考
- 感情を根拠に物事を決めつける思考
- 自分の信念やルールから外れることを許さない思考
- 自分に悪いレッテルを貼ってしまう思考
- よくないことは全て自分の責任にしてしまう思考
ここでは個々の内容については割愛するが、本の中では上記の思考の例を漫画で紹介している。
これらの考え方のくせについて、筆者に当てはまるものは8だ。
家庭内において、自分はこうしたい、ああしたいと思うことを妻や子供に押し付けていると思う。
例えば、電気の付けっぱなし、水の流しすぎ、子供は早く寝るべき、寝ながら本は読んではいけないなど、当たり前のことこそ、周りの者が出来ていないと怒りやイライラが募ってしまう。
会社においても、あの人はちゃんと仕事をしていない、いつも始業時間ギリギリに出社するなど、自分はしっかりやっていると自負がある分、他人の行動に不満を感じるときが多々ある。
まさに、考え方がマイナスの感情に繋がる典型的な例だと感じた。
日常のストレスを減らす思考法
数々の具体的なケースを取り上げ、前述したどの思考のくせに陥っているかを把握した上で、どのようにイライラや不安を穏やかなものに変えていけるのかを紹介している。
50ケースほどある中で、ここでも筆者に当てはまったものをいくつか簡単に紹介しよう。
毎日同じことの繰り返しでうんざり。仕事に行きたくない。
仕事いやだな、行きたくない、限りある人生だから嫌なことを無理してやることは時間の無駄ではと思うことがよくある。
仕事のやりがいなんてここ数年感じていない。
かと言って、家庭を養っていかないといけないため会社を辞めることはできない。
こうしたことは、自分が取り組む仕事や会社の良くない面、悪い面ばかりを見ているケースであり、思考のくせの3に該当する。
この思考から抜け出すためには、仕事に行きたいな、仕事をやりたいなと嘘でも思うことである。
思い込むうちにその気持ちが本物になってくる。
良い面を無視せず、良い面に着目すると、仕事の面白さに気づき、自分が知らなかったことが学べるというふうに見方が変わるかもしれないと述べている。
電車の中、ヘッドフォンからの音漏れにイラッ!
筆者も電車通勤しているため、ヘッドフォンからの音漏れはよく耳にする。
その度に、イライラするし、何故音漏れに気付かないのかとその人物の常識を否定しがちである。
しかし、無用なトラブルを避けるため、注意することしないのが現状だ。
公共の場でのマナー違反を腹立たしく思ってしまうのは、思考のくせ8に該当する。
対処法として、自分と同じようにルールを守ることを相手に期待することが間違っているとのこと。
「マナーを知らずにかわいそう」と少し上から目線で思えばよいのだと。
確かに筆者も、「将来耳が聞こえなくなるぞ」と相手の不幸を考え何とか心を落ち着かせるときがある。
他にも耳栓を持参したり、音が気にならないところに移動すれば、いちいち心が反応しなくてすむとのことである。
まとめ
著書の最後には「自律神経を整えるセルフケア」ということで、ストレッチ方法や呼吸法、食事や姿勢に気を付け、実践の仕方が記載されている。
筆者も普段から風呂上りにはストレッチ、できるときには深
現代社会においては何かしらのストレスにさらされている。
自律神経そのものの意味さえ知らなかった筆者にとって、まずは自律神経を理解し、ストレスをストレスと考えてしまう思考そのものを改めることが大事であると学んだ。
それによって、いちいち心を動かされる必要がない、ストレスを感じにくい方法を得られたことは、この著書によるところが大きい。
ストレスによって不調となっている方、なりかけている方にお勧めしたい本である。